フラメンコの聖地『サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ』

1.作品概要

スペイン、アンダルシア地方、グラナダ県サクロモンテ地区。サクロモンテ地区は、迫害を受けたロマたちが集い、イスラム文化と融合して独自の文化が生み出されました。ロマたちが洞窟で暮らしていたことから、洞窟フラメンコが生み出されます。その情熱的な歌や踊りは、世界中を熱狂させます。ところが、1963年、ロマたちは不世出のフラメンコダンサー、カルメン・アマヤの死、大洪水によって住むところを失われるという悲劇を経験します。

本作は伝説のフラメンコ・コミュニティに入り込み、迫害や大洪水など悲しい経験を乗り越えてきたダンサー、歌い手、ギタリストなどへのインタビューを通じて、世界でも重要視されているフラメンコ・コミュニティのルーツをたどることで、洞窟フラメンコが代々引き継がれていく様相を映し出すドキュメンタリー作品です。

 

 

 

2.スタッフ・キャスト

監督は、『デリリオ 歓喜のサルサ』(2014年)のチュス・グティエレスです。彼女は1962年グラナダ生まれで、現在、スペインで信望が厚く重要な監督の一人とされています。子供の頃、両親にタブラオに連れて行ってもらい、それ以来、何度もサクロモンテを訪れているとか。

 

出演は監督チュス・グティエレスとともに脚本を手掛けたクーロ・アルバイシン、ライムンド・エレディア、ペペ・アビンチュエラ、ハイメ・エル・バロン、フアン・アンドレス・マジャ、チョンチ・エレディア、マノレーテです。

 

3.まとめ

この映画の紹介文を書くまで、実は私はサクロモンテがロマによるフラメンコの聖地であることを知りませんでした。ヨーロッパから迫害され、洞窟に居住したロマの歌と踊りが、イスラム文化と融合してフラメンコが誕生していきます。魂の叫びのような歌とリズム、強烈な踊り。彼らは1963年の大洪水で済む場所も何もかも、すべてを失い、フラメンコだけが残ります。それでも、彼らの文化は悲しい経験を乗り越え、すべてを受け入れ、ロマたちは踊り続けます。

人としての正義が試される『逆行』

1.作品概要

本作品は、第40回トロント国際映画祭ディスカバリー部門正式出品作品であり、第15回ウィスラー映画祭最優秀賞、第12回ポルト・アレグレ国際ファンタスティック映画祭最優秀監督賞、第4回カナダ・アカデミーカナダ・スクリーン・アワード最優秀新人作品賞受賞作品です。

アメリカ人の医師ジョンは東南アジアのラオスでNGOの医療活動に従事していましたが、激務に疲れ切った心身をいやすために南部のリゾート地を訪れます。

宿でくつろぎ、夜には近くのバーでバーテンダーと意気投合し、ウィスキーを飲んで酩酊します。宿への帰り道で、ジョンは地元の娘が若いオーストラリア人観光客に暴行された現場に出くわします。加害男性に詰め寄ったジョンは揉み合いになり、ジョンは相手を殴り死なせてしまいます。

 

 

 

翌朝、自分のしたことに罪悪と恐怖を感じたジョンは、事件捜査中の警察から逃走してしまいます。逃亡途中でジョンは、自分の撲殺した相手が議員の息子であること、ジョン自身が国際指名手配犯になったことを知ります。ジョンは必死に逃走を重ね、隣国タイを経由して、アメリカへ帰国する道を探るのですが……。

 

2.スタッフ・キャスト

監督は、新人ジェミー・M・タグです。製作は、ニコラス・ソルパーラ。製作総合指揮はグレッグ・ソルバーラ、マッティ・ドゥ、『モンスター 返信する美女』(2015年)のトッド・ブラウンです。

主演のジョン・レイク役は、『ハイエナ・ロード』(2016年)のロッシフ・サザーランドです。

共演はステファニー・ノヴェラ役を『殺意の香り』のサラ・ボッツフォード、ドゥアンマニー役をドゥアンマニー・ソリバン、パトリック・リアドン役をテッド・アザートン、バーテンダー役を『ルパン三世』(2014年)、『ニンジャ・アベンジャーズ』(2015年)のビタヤ・バンシリガームが担当します。

 

3.まとめ

本作品は、逃げても逃げても悪夢からの出口を見出せない主人公の焦燥と孤独を訴えかけます。本作の主人公ジョンは、人命を救うことに力を尽くしてきた誠実な医師でした。その医師が一時の激情に駆られ、殺人を犯してしまいます。文化や習慣の違う異国での出来事、警察に追われる恐怖と孤独が浮き彫りにされていきます。公開日は、2017年3月11日の予定です。

人は時々自分が見えなくなる『モン・ロア 愛を巡るそれぞれの理由』

作品概要

この作品は第68回カンヌ映画祭で、エマニュエル・ベルコが女優賞を受賞、第41回セザール賞首相8部門にノミネートされました。

 

スキー場で転倒して大けがをした弁護士のトニーは、リハビリセンターの医師に心の話をされます。ひざの痛みは心の痛みと連動すると聞かされ、トニーは思い当たる節がありました。

トニーは、心から愛したジョルジオとの過去を振り返ります。10年前トニーは学生時代にアルバイトしていた常連客で密かに憧れていたジョルジオと再会します。レストランの経営者ジョルジオは、トニーのことなどまったく覚えていませんでした。ところがバツイチになり、以前より大胆になったトニーは、印象的なアプローチでジョルジオの心を掴みます。

その後は進展が早く、二人は電撃的に結婚します。ところが、結婚するが早いか、次々と事件が起こります。ジョルジオの元カノのアニエスが自殺未遂を図ります。責任を感じたジョルジオは、アニエスのもとに通うようになります。逆上したトニーは、アニエスには構わないと約束するジョルジオを無視して家を出ます。弟ソアルの家に行き、冷静になったトニーはジョルジオに謝りますが、ジョルジオにアニエスの世話をするといわれてしまいます。

トニーの激しい一面を知ったジョルジオは別に部屋を借り、最低限のものを持ち込み、喧嘩したときに使うと言います。ところがトニーがその部屋を訪ねてみると、そこには何から何までそろえてありました。トニーが一人残された部屋では、突然、裁判所執行官が訪ねてきて、ジョルジオの債務不履行を理由にトニーの大切にしている家族の想い出の家具まで持ち去ってしまいます。

息子が誕生し、平和な日が戻ってくるのも束の間、息子の名前でひと悶着置きます。そしてジョルジオが言い張った名前の発案者がアニエスと知り、愕然とするトニー。仕事相手と約束していると家を出て、翌朝別宅で女と眠るジョルジオ。さらに、昔からドラッグをやめられないというジョルジオ。

ついに、トニーは離婚したいと申し出ます。ひざの痛みが回復していくなかで、これらのことを振り返るトニー。

 

キャスト・スタッフ

監督・脚本     アイウェン

製作        アラン・アタル

撮影        クレール・マトン

 

主演        バッサン・カッセル    ジョルジオ

エマニュエル・ベルコ    トニー

共演       ルイ・ガレル        ソラル

イジルド・ル・ベスコ    ハベット

クリステル・サン=ルイ・  アニエス

オーギュスタン

ハクはなぜ、魔法使いになりたかったのか?

ハクの正体は川の神で本性は龍神ですから、ハクは龍になれました。少年の姿は、千尋に合わせたのだと思われます。マンションが建てられて川を埋め立てられたとき、ハクは自分の居場所を失くしてしまって、油屋の湯婆婆に弟子入りすることで居場所を得ようとしたのか、魔法を使って自分の居場所である琥珀川を取り戻そうとしたのかは定かではありません。

 

千尋が最初に油屋の橋のところでハクと出会ったとき、ハクが焦っていたのは、油屋界隈が人間の来るところではないのに、千尋が迷い込んでいたこと、千尋はまだ油屋の他の者には見つかっていなかったものの、見つかってはまずい、面倒なことになるということで焦っていたのではないでしょうか。

 

ハクはなぜ、千尋を助けたのでしょうか。ハクは所在なさげにしている、また両親を豚にされた千尋を見て、同情したのかもしれません。あるいはハクは自分の居場所を探していた過去の自分とを重ね合わせたのかもしれません。ハクが千尋にだけ優しいのは、こういう事情があったからではないでしょうか。ただ、後に銭婆も「龍はみんな、優しいよ。」と言っていますから、龍は親切で優しいのかもしれません。以上、私見ですが。

松方弘樹主演『真田幸村の謀略』感想

結論から言えば、演技はともかくとして、配役、内容はいまいちでした。中学の頃、一度見た映画で、真田幸村と真田十勇士が好きな私は、喜び勇んで映画館に行ったものです。

 

唯一の見どころとしては、ラストに真田幸村が家康の首を討つところでしょうか。その直後に幸村は鉄砲隊に打ち殺されますが、死場を派手にするのもこの時代の映画らしいといえば映画らしいですね。この家康、討たれてしまいますが、影武者だったのでしょうか。というのも、家康が幸村に首をはねられる描写は、残念ながらこの『真田幸村の謀略』以外では見たことがありませんから。それに、家康が影武者であったならば、鉄砲隊が守らないのもわかるような気がしますし。

 

映画の冒頭では、あおい輝彦さんの演じる猿飛佐助が星の中から出てきます?星に変化していた?隕石ではなかったし、尾も引いていなかったような。星は落ちなかったですから。こんな忍法も使えるというところでしょうか。この時代、冒頭が宇宙からというのは、アニメ以外では新しいですね。あるいは、アニメの影響を受けたのかもしれません。実写では斬新といえば、斬新。

 

後、真田十勇士。海野六郎のガッツ石松さん、三好伊三入道の真田広之さんはまあよいとして、三好清海入道が秋野暢子さん。紅一点というのは、ねえ。まあ、女の武器というのは戦場では意表の付くものかもしれませんが、そこはあまり記憶にない。柴田錬三郎の『真田十勇士』を読んでみると、真田十勇士というのは男性で巨漢なのですよ。秋野暢子さんはどう見ても、ガッツ石松さんや真田広之さんのような働きはできないような。

 

それから真田幸村が隻眼になっているのも、おかしいですね。『柳生一族の陰謀』の影響が強すぎたのでしょうかね。隻眼の幸村なんて、他の作品では見られないような気がします。隻眼の幸村は、つくり過ぎている感があります。幸村に関していえば、1985年~1986年NHK放映の『真田太平記』の草刈正雄さんの演じる真田幸村は結構好きでしたが。

『となりのトトロ』のトトロの年齢、身長、性別

『となりのトトロ』に出てくるトトロ。大・中・小と大きさの異なるトトロは、実は夫婦と子供ではなかったのですね。知らなかったです。作中のトトロは仲良く大・中・小のトトロが並んで、種を植えたところに芽を出す踊り?をしていましたから。

 

大トトロは「おおとうさん」、本名をミミンズク、中トトロは「おとうさん」、おかあさんではないのですね。本名がズク。小トトロの本名はミンだそうです。男性しかいないのですね。ミミズクのような感じよりは、ネズミかモルモットの感じが強く、かわいらしいと思っていました。トトロの名前の由来は「所沢のおばけ」からきているそうです。宮崎監督の知り合いの少女が「所沢」を「ととろざわ」と言ったのがはじまりだったそうです。ネットを検索したら、出てきました。

 

年齢の方は大トトロが1302歳、中トトロの年齢は607歳、小トトロが109歳とされています。身長は大トトロが2m、中トトロと小トトロは不明です。そんなトトロは森の主?作中ではメイのお父さんが「森の主」って言っていますね。森の精霊なのか、主なのかも不明ですが。

松方弘樹さんといえば、印象に残る役は?名奉行遠山の金さん

松方弘樹さんといえば、印象に残る役は名奉行遠山の金さんでしょうか。金さんVS女ねずみというのもありました。印象に残っているものの、私の勝手な感想ですが、あまり好きではなかったですね。奉行姿で悪人に桜吹雪を見せる件、芝居じみた格好のつけすぎのセリフ、彫り物の桜吹雪を見せるとき、一瞬止めてから肩を出す演技も、いかにも芝居ですという感じで頂けなかったですね。それでも、松方弘樹さんで印象的な役といえば、名奉行遠山の金さんでした。ドラマは、1988年~1998年までの10年間、放映されていましたがね。歴代遠山の金さんを見てみると、

 

遠山の金さん捕物帳    中村梅之助 (1970年~1973年)

ご存知遠山の金さん    市川段四郎 (1973年~1974年)

ご存じ遠山の金さん捕物帳 橋幸夫   (1974年~1975年)

遠山の金さん       杉良太郎  (1975年~1979年)

遠山の金さん       高橋英樹  (1982年~1986年)

名奉行遠山の金さん

金さんVS女ねずみ    松方弘樹  (1988年~1998年)

遠山の金さん       松平健   (2007年)

 

となっており、松方弘樹さんの金さんが非常に長期間放映されていたことがわかります。記憶に残っていても、不思議はありませんね。私も松方弘樹さんの金さんはよく覚えていますが、すきな金さんは、やはり橋幸夫さんと杉良太郎さんですね。演技が自然な感じでよかったと思っています。

千と千尋の神隠しで、千尋は油屋での出来事やハクのことをわすれてしまっているのか?

  • 千と千尋の神隠しで、千尋達は最後にトンネルを通って現世に戻りますが、千尋は油屋での出来事やハクのことを忘れてしまっているのでしょうか?

 

銭婆が言っていたように、「忘れてしまったのではなく、思い出せないだけ」なのでしょう。ネットでも言われているように、浦島太郎も竜宮城での出来事をしっかりと覚えているようですし。

 

  • 最後に銭婆からもらった髪留めが光りますが、あれは何を意味していたのでしょうか?

 

これもネットで諸説がありますが、私は二つの意味が含有されていると思います。

 

第一には、油屋での出来事、銭婆に会ったこと、ハクが迎えに来たこと、両親が豚にされたこと、千尋の体験したすべてのことは現実にあったことであり、夢ではなかったのだということを示しているのではないかと思います。

 

第二には、銭婆が千尋に「さあ、お守りができたよ。」と髪留めを渡しながら言っていましたから、お守りが役目をはたして、銭婆の魔法が解けたものと思われます。つまり、千尋が現世に戻るとき、ハクが「決して後ろを振り向かないように。」と言っていますが、千尋が後ろを振り向かないようにと魔法をかけたのかもしれませんし、振り向いても油屋に引き戻されないように魔法をかけたのかもしれません。いずれにせよ、髪留めが光ったのは、役目を終えたからという解釈もできます。

千と千尋の神隠しで湯婆婆が砂金を見てハクに、にやりと笑いかけるシーンについて

ハクが湯婆婆に「まだわかりませんか、大切なものが入れ替わったのに。」と言います。それに対して、湯婆婆が砂金を見てにやりと笑うシーンについて、湯婆婆はなぜ笑ったのでしょう。

 

湯婆婆は、金の亡者です。そのような湯婆婆にとって、砂金は大事なものとうつったのでしょう。砂金が入れ替わったのか、いや、すり替わっていない。大丈夫。それを再確認して、湯婆婆はにやりとハクに笑いかけます。

 

ハクが言ったことの意味は「ぼう」と小さなカラスがモルモットと虫になり、頭だけの怪物?用心棒?が「ぼう」に入れ替わったことを指していました。

 

金の亡者である湯婆婆は砂金の方にまず目が行き、「ぼう」のことまで頭が回らなかったのですね。そこにギャップが生じました。

 

これじゃない。湯婆婆は砂金がすり替わったのではないことを確認したうえで、「ぼう」の姿を探します。そして、「ぼう」が入れ替わっていることに気づきます。そのときには、笑みは完全に消失しています。

『千と千尋の神隠し』のハクの衣装について調べてみた。

上半身は、狩衣という平安貴族の普段着に似ています。水干とも似ています。どちらかなのでしょう。ハクは龍神、川の神の化身なので、そのような服装をしていても、奇妙ではありません。神社の神職もまた、類似した衣装をしているでしょう?

 

それでは、ハクの衣装は狩衣なのでしょうか、水干なのでしょうか。

 

狩衣と水干について調べてみました。

 

狩衣と水干の違いは、水干には襟を止めるための長いひもがついている点にあります。ハクの衣装にそれがついていれば、水干、なければ狩衣になるでしょう。着る方法は、袴に裾を入れる方法と入れない方法があって、そこでは判別は付きにくいと思われます。

 

平安時代末期になると、都の庶民の多くが水干を着ていたと伝えられていますが、ハクは庶民ではないのでこれには当たりません。庶民が麻を染めたりすったりして着色していたのに対して、貴族は高級生地を使用していたことなど、水干が多用されていたことはわかります。

 

鎌倉時代から室町時代には公家、武家の元服前の礼装として水干が多用されてきたといわれています。江戸時代にはすたれているそうですが、第二次世界大戦後は略装として女性神職のユニフォームに水干が使用されているところもあります。

 

このようにみてくると、『千と千尋の神隠し』のハクは男子ではありますが、神であること、元服前かどうかは不明ですが。小さな川の神であるならば、年齢不詳でも少年の姿で表わされるかもしれませんが。いずれにせよ、ハクの衣装は水干か狩衣のいずれかであると思われます。