人としての正義が試される『逆行』

1.作品概要

本作品は、第40回トロント国際映画祭ディスカバリー部門正式出品作品であり、第15回ウィスラー映画祭最優秀賞、第12回ポルト・アレグレ国際ファンタスティック映画祭最優秀監督賞、第4回カナダ・アカデミーカナダ・スクリーン・アワード最優秀新人作品賞受賞作品です。

アメリカ人の医師ジョンは東南アジアのラオスでNGOの医療活動に従事していましたが、激務に疲れ切った心身をいやすために南部のリゾート地を訪れます。

宿でくつろぎ、夜には近くのバーでバーテンダーと意気投合し、ウィスキーを飲んで酩酊します。宿への帰り道で、ジョンは地元の娘が若いオーストラリア人観光客に暴行された現場に出くわします。加害男性に詰め寄ったジョンは揉み合いになり、ジョンは相手を殴り死なせてしまいます。

 

 

 

翌朝、自分のしたことに罪悪と恐怖を感じたジョンは、事件捜査中の警察から逃走してしまいます。逃亡途中でジョンは、自分の撲殺した相手が議員の息子であること、ジョン自身が国際指名手配犯になったことを知ります。ジョンは必死に逃走を重ね、隣国タイを経由して、アメリカへ帰国する道を探るのですが……。

 

2.スタッフ・キャスト

監督は、新人ジェミー・M・タグです。製作は、ニコラス・ソルパーラ。製作総合指揮はグレッグ・ソルバーラ、マッティ・ドゥ、『モンスター 返信する美女』(2015年)のトッド・ブラウンです。

主演のジョン・レイク役は、『ハイエナ・ロード』(2016年)のロッシフ・サザーランドです。

共演はステファニー・ノヴェラ役を『殺意の香り』のサラ・ボッツフォード、ドゥアンマニー役をドゥアンマニー・ソリバン、パトリック・リアドン役をテッド・アザートン、バーテンダー役を『ルパン三世』(2014年)、『ニンジャ・アベンジャーズ』(2015年)のビタヤ・バンシリガームが担当します。

 

3.まとめ

本作品は、逃げても逃げても悪夢からの出口を見出せない主人公の焦燥と孤独を訴えかけます。本作の主人公ジョンは、人命を救うことに力を尽くしてきた誠実な医師でした。その医師が一時の激情に駆られ、殺人を犯してしまいます。文化や習慣の違う異国での出来事、警察に追われる恐怖と孤独が浮き彫りにされていきます。公開日は、2017年3月11日の予定です。

笑いたいけど笑えない脳みそ夫主演『くも漫』レビュー

2017年2月に公開される『くも漫』です。本作品は中川学『くも漫』が実写映画かれた実録映画です。監督は小林稔昌、脚本は『乃木坂工事中』の安藤裕之です。

 

主演は脳みそ夫こと、中川学自身です。共演は『やるっきゃ騎士』(2015年)の星チカコ役、『マジックユートピア』(2016年)のリサ役を演じた柳英理沙、シンガソングライターの沖ちづる、『超高速!参勤交代リターンズ』(2016年)の木村役を演じた板橋駿谷、『一路』(2015年)の辻井良軒役、『OLですが、キャバ嬢はじめました』(2016年)の宮本課長役を演じた坂田聡に加え、平田満、大高洋夫、立石涼子です。

 

長年、ニート生活を送ってきた29歳の中川学は、父親の紹介で教育の仕事を得ます。教員ですよ、教員。ある日、札幌ススキノの風俗店を訪れた中川は、サービスを受けて、絶頂に到達する寸前で、くも膜下出血を起こします。病院に搬送された中川は、「お兄ちゃん、どこで倒れたの。」という母の問いに、ぎょっとして「ちょっと記憶喪失」と苦しい言い訳を。

 

特報を見て、思わず笑っちゃいましたが、笑えない内容です。どこで発症するか、いつ発症するか、発症しないか、わからない病気ですからね。他人事ではないです。(笑)

 

話変わって、脚本の安藤裕之さんは『乃木坂工事中』などを手掛けていますが、本作品の脚本を書くとき、どうだったんでしょうね。きわめてクールに淡々と描いていたのか、笑いながら書いていたのか。クールに第三者的視点から描いていたのだとすれば、すごいですね。