『バーフバリ 伝説誕生』日本公開

2017年4月8日に公開される『バーフバリ 伝説誕生』は『バーフバリ the beginning』の後編にあたる作品である。

 

あらすじは、孤児として育ったシバドゥがアヴァンティカという美しい女戦士と出会い、恋をする。彼女の一族が戦っているヒューシマティ王国との戦いに自分も協力することを申し出、城に行くと囚われていた元王女が自分の母親だった。

 

というのが『バーフバリ the beginning』、『バーフバリ 伝説誕生』はヒューシマティ王国の真の継承者が自分だったことを知ったシバドゥが、暴君を倒し、王権を奪還するというすじらしい。

 

気になったのは、物語展開だけではない。シバドゥ達とその敵が身に着けている鎧だ。

 

韓流テレビドラマ『ソドンヨ』(2005年9月~2006年3月)や『風の国』(2008年9月~2009年1月)のように、ドラマのために創り出された鎧かなあということだ。『ソドンヨ』にしても、『風の国』にしても、おもしろかったから、ドラマはよかったが。

 

バーフバリの場合、時代設定がよくわからず、ファンタジーアクション大河ドラマのようだから、そこまで言及するのは、おかしいかもしれないが。

 

しかし、気になる。シバドゥの鎧は予告編を見る限りでは、なめし皮のような感じで、兜はない。敵の方は、立派な鎧兜をしている。それらの鎧は、なぜか、ローマの鎧を思い出させる。インドというとマハラジャ、黄金のイメージからなかなか抜け出せないから、このようなあほな疑問がわいてくる。

 

それで、南インドの歴史をちょっとだけみていこう。

 

インドに統一国家形成が始まったのは、紀元前4世紀末のことだ。きっかけは、アレクサンドロス大王のインダス川流域への進出に伴うものだった。しかし、これは北インドの話。

 

紀元前1世紀頃から南インドにはサーダヴァーハナ朝があり、インド洋交易でローマと盛んに交易し、栄えていた。その後も北インドほどではないが王朝が何回か変わり、9世紀頃にも海の道と呼ばれるインド洋圏でギリシャ人商人と盛んに商取引をしている。

 

このようにみてみると、『バーフバリ the beginning』、『バーフバリ 伝説誕生』で主人公シバドゥ達が身に着けている鎧は、ローマのそれに似ていても、それほどおかしくはない。

乃南アサのベストセラー小説映画化『しゃぼん玉』予告編だけでも感動しそう

2017年3月に京都シネマ、テアトル梅田、シネマート心斎橋他で上映される本作品は、乃南アサのベストセラー小説『しゃぼん玉』(2008年)新潮文庫を元に実写映画化された作品だ。

 

通り魔や強盗傷害などの犯罪に手を染めてきた主人公、伊豆見翔人。逃亡の末、宮崎県北部の山村に迷い、怪我をした老婆スマを助けることに。雨の中、こけているスクーターを起こし、振り返る伊豆見。スマ「ぼ~う。ええとこへ、来た。やれ、助かった。」

 

家で、スマ「ありがとう。ほんに。」スマの家に居座るようになる伊豆見。伊豆見寝巻のままで、「ばあちゃんさあ、ここどこ?」スマ「そりゃあ、あんた、宮崎やわ~。」食卓に並ぶ郷土料理。食事する伊豆見、「うまい。」スマ「あんた、そのはしの持ち方、直したがえ~どぅ~。」茶碗を置いて、はしを見つめる伊豆見。

 

百姓姿でスマ、「ぼ~う。」寝間着姿でくつろぐ伊豆見。村人やスマと交流しているうちに、伊豆見の心が和らいでいく。村人「あんた~、まだ、そんなかっこうしとるんだかぁ~。」シゲ爺「わしの手伝いせんか?」「じいちゃんの」服を着替えて山に登る伊豆見、「ああ~。」シゲ爺「しっかりせんか。」

 

そんなある日、10年ぶりに村に帰ってきた美和と出会ったことによって、自分の犯した罪を自覚・意識し、人生をやり直そうとするというあらすじだ。美和「いいなあ。自由な感じで。」伊豆見「しゃぼん玉みていなもんかな。風に吹かれて。ふらふらするだけ。帰る場所がないだけで。」村人「よかったよ。みっちゃん元気になってぇ~。」「何か、あったんすか?」村人「あのね~。通り魔にあったとよ~。それで、ショック受けてね~。」

 

公開された予告編を見て、逆起こしにして、脚本の練習をしていたわけではないが、練習にはなる。

 

脚本・監督の東伸児さんは大分県出身だから、方言の感覚が身についているんですね。筆者も、シナリオを練習するといつも、関西弁やら京都弁が出てしまう。シナリオの師匠からは、「標準語で書いてください。方言は方言で、ちゃんと直す係の人がいます。関西弁で書くと、落とされることもありますよ。」と教わった。

 

予告編を見ていると、宮崎北部の水というか、人々の温かさまで伝わってくる気がする。なかでも、市原悦子の演じるスマ、綿引勝彦の演じるシゲ爺がよかったなあ。藤井美菜の演じる美和とのやり取りもよかった。是非見てみたい作品だ。

イヤミスの傑作『暗黒女子』実写映画化、主題歌は?『まれ』の清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名共演

2017年4月1日に公開される『暗黒女子』です。

 

本作品はイヤミス、読むと嫌な気分になるミステリー、後味が最悪になるミステリーの傑作、秋吉理香子著『暗黒女子』(2013年)双葉文庫が実写映画化されたものです。

 

監督はTVドラマ『日本人の知らない日本語』(2010年)、『MARS ~ただ君を愛してる~』(2016年)、映画『百瀬、こっちを向いて。』(2014年)、『MARS ~ただ君を愛してる~』(2016年)を手掛けた耶雲哉治です。

 

脚本は『バジリスク ~甲賀忍法帖~』(2005年)、『アニマル横町』(2005年)、『Fate  stay night』(2006年)を手掛けた岡田麿里です。

 

キャスト

連続テレビ小説『まれ』(2015年)の蔵本一子役を演じた清水富美加。

 

『学校のカイダン』(2015年)の伊吹玲奈役、『信長協奏曲』(2014年)の亜里沙役、連続テレビ小説『まれ』(2015年)の澤沙耶役、『MARS ~ただ君を愛してる~』(2016年)の麻生キラ役、『不便な便利屋』(2016年)の桐谷梢役、映画『きょうのキラ君』(2017年2月25日公開予定)のニノ役を担当した飯豊まりえ。

 

連続テレビ小説『まれ』(2015年)の栗林仁子役を演じた清野菜名。

 

『JKは雪女』(2015年)の冬城咲雪役、映画『PとJK』(2017年3月25日公開予定)の矢口三門役を演じる玉城ティナ。

 

『牙狼 -GARO――魔戒烈伝-』(2016年)のユナ役、『朝が来る』(2016年)の片倉茜役を演じた小島梨里杏。

 

『JKは雪女』(2015年)の冬城小雪役、映画『青空エール』(2016年)の澤あかね役、『キセキ -あの日のソビト-』(2017年1月28日公開予定)の櫻井結衣役、『きょうのキラ君』(2017年2月25日公開予定)の矢作澪役、『サクラダリセット前篇』(2017年3月25日公開予定)の相麻薫役を演じる平祐奈。

 

『戦う!書店ガール』(2015年)の三田孝彦役、『家族ノカタチ』(2016年)の入江春人役、映画『殿、利息でござる!』(2016年)の千坂仲内役を演じた千葉雄大。

 

主題歌

主題歌は、Charisma.comの『#hashdark』です。

 

感想

ストーリーはともかくとして、イヤミスのことも傍らに置きます。ある意味、興味深い作品ですね。なぜかというと、朗読で進行する物語だからです。シナリオ(脚本)を勉強している筆者の視点からすれば、独白じゃないか、朗読だから。でも、一人ひとりのセリフが長いのではないかと思ってしまうんですよね。師匠からは一人のセリフは長くても3行と教わりましたから、その点が気になって仕方ないです。どう脚色して、どう脚本を書いたのかなあって。だから、見てみたい作品です。

『はじまりへの旅』

今日は2017年4月1日に公開される『はじまりへの旅』です。
この作品は、『恋は邪魔物』(2003年)、『アビエイター』(2004年)のマット・ロスが自らの脚本を元に映画化したものです。また本作品は、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門、監督賞受賞作品です。

出演は、『サイコ』(1998年)のサミュエル・ルーミス、『ダイヤルM』(1998年)のディビッド・ショウ、『ロード・オブ・ザ・リング』(2001年)、『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』(2002年)、『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(2003年)のアラゴルンを演じたヴィゴ・モーテンセン、『サンシャイン 歌声が響く街』(2013年)のデヴィを演じたジョージ・マッケイ、『フロスト×ニクソン』(2008年)のリチャード・ニクソン、『ノア 約束の舟』(2014年)のオグを演じたフランク・ランジェラーなどです。

物語の始まりは、アメリカ北西部の森?です。ベン・キャッシュー一家は、現代社会から隔絶されたアメリカ北西部の森深くに住んでいました。彼らの習慣は変わっており、一家の家訓は、①裸で暮らす②獲物は自分でさばく③6か国語は必須④食べるときは服を着る⑤家族はどのようなときも一緒。18歳の長男は有名大学をすべて合格するほど優秀であり、子供達は皆、アスリート並みでした。ある日、入院していた母レスリーが亡くなります。葬儀を行うため、母の最期の願いを叶えるため、彼らはニューメキシコに向けて旅に出ます。

アメリカ北西部の森で裸。寒くないのでしょうか。鍛えられているから、平気!?コーラもホットドッグもマクドも知らない子供達が外界を旅すれば、ものすごいカルチャーショックでしょうね。わくわく、どきどき笑いが絶えない興味深い作品ですね。一方で、この作品は、皆が同じようなこと、同じようなスタイルで生活している今日の社会において、皆と同化していることが普通なのか!?考えさせられる作品であると思います。いろいろな意味で。

ミュージカル『ラ・ラ・ランド』第74回ゴールデングローブ賞

今日は、2017年2月24日に公開される『ラ・ラ・ランド』です。
本作品は、『ラスト・エクソシズム2 悪魔の寵愛』(2013年)、『10クローバーフィールド・レーン』(2016)で脚本を務め、『セッション』(2014年)で脚本、メガホンを握ったデミアン・チャゼルが自らの脚本を元に、ミュージカル映画化したものです。第73回国際映画祭では、高い評価を受けました。アカデミー賞受賞候補でもあります。第74回ゴールデングローブ賞受賞も決定しました。

出演はライアン・ゴスリング、エマ・ストーン、J・K・シモンズ、フィン・ウィットロック、ローズマリー・デウィット、ミーガン・フェイ、ジェイソン・フェイクス、ジェシカ・ローゼンバーグ、ソノヤ・ミズノ、カーリー・エルナンデス、ジョン・レジェンド、ジョシュ・ペンス、アンナ・チャゼルです。

物語の舞台は、ロサンゼルスです。映画スタジオのカフェで働くミアは女優のオーディションを何度受けても落ちて、落ち込んでいます。ピアノの音色に誘われて、バーに入ったミアは、ピアノを弾くセバスチャンと出会います。セバスチャンは、ジャズのための自分の店を持つのを夢に持っていました。二度目に二人が出会ったとき、セバスチャンはポップスを弾いていました。「君は、首だ。」「クリスマスなのに。ジャズはあきらめる。」二人は互いの才能を認め合い、応援し合い、恋に落ちます。そんなとき、セバスチャンが生活のために始めたバンドが成功して、何かが壊れ始めます。

双方とも、同じ時に成功すれば、ハッピーエンド。そうならないから、ドラマが興味深いもの、奥の深いものになりますね。スケールの大きそうなミュージカルですね。二人の夢、恋、幸せは、どのように変化していくのかが楽しみな作品です。

『一茶』 リリー・フランキー主演、最初の妻役が佐々木希

今日は、2017年に公開予定の『一茶』の紹介です。
この作品は、直木賞作家藤沢周平の『一茶』(1978年)文藝春秋が映画化されたものです。監督は、『劇場版テンペスト3D 』(2012年)、『臥竜の人~伊達政宗 独眼竜と呼ばれた男』(2013年)の吉村芳之です。誰もが知る国民的俳諧師小林一茶を演じるのは、リリー・フランキーです。

その他の出演は中村玉緒、伊藤淳史、石橋蓮司、佐々木希、水川あさみ、立花美優、高橋かおり、内野聖陽、奥田瑛二と豪華であることも魅力です。脚本は『武士の家計簿』(2010年)、『武士の献立』(2013年)の柏田道夫先生です。何故、先生を付けるかといいますと、柏田先生はシナリオセンター大阪校における筆者の師匠であるためです。どうでもいいことですが。

「やせ蛙まけるな一茶ここにあり」、「ともかくもあなたまかせの年の暮」、「すずめの子そこのけそこのけお馬がとおる」など約20000句のほのぼのとした俳句を残した小林一茶ですが、映画ではもっと人間臭い一茶が描かれています。

最初の妻 菊役は佐々木希
映画は、50歳過ぎの一茶から始まります。幼い頃、母を亡くした一茶は継母との関係がうまくいかず、江戸に方向へ出されます。一茶は二六庵竹阿に弟子入りして江戸で俳句を学びます。やがて一茶は俳諧師として認知されますが、貧乏暮しは続きます。39歳のとき、故郷の信濃に帰るも、父は亡くなります。父の遺言は、「お前にはすまなかった。財産の半分をおまえにやろう。」というものでした。財産は、家屋敷と田畑、山林です。一茶が帰ると、異母弟は家屋敷、田畑を広げ、大きくしていました。一茶は好きな俳句を作っても暮らしていけるようにと、父の遺言を盾にとって、約12年間にも及ぶ訴訟を起こします。その結果、一茶は財産の半分を手にします。一茶はきちんと年貢を納めたうえで、俳句を作っていました。一茶は52歳で、菊(佐々木希)という女性と結婚します。一茶は、一晩で5回したといいますから、相当強かったことをうかがわせます。3男1女に恵まれますが、子供は皆、幼いうちに亡くなり、妻とも死別します。理由として、度重なる性交による過労死という説があります。

結婚は生涯通して3回
一茶は62歳のとき結婚した二度目の妻 雪には逃げられ、64歳で結婚した三度目の妻 やをとの間でようやく子宝に恵まれます。しかし一茶は、65歳でこの世を去ることになります。

『破門 ーふたりのヤクビョーガミ-』

今日は、2017年1月28日に公開される『破門 ーふたりのヤクビョーガミ-』の紹介です。
この作品は黒川博行の疫病神シリーズ、『疫病神』(1997年)新潮文庫、『国境』(2001年)講談社文庫、『暗礁 上下』(2005年)幻冬舎、『螻蛄』(2009年)新潮社、『破門』(2014年)第151回直木賞受賞作品 角川書店、『喧嘩(すてごろ)』(2016年)角川書店のシリーズ第5作目が映画化されたものです。疫病神シリーズの映画化としては初の作品で、監督は『毎日かあさん』(2011年)、『マエストロ』(2015年)の小林聖太郎です。黒川作品の映像化は、WOWWOW連続ドラマの『煙霞 -Gold Rush-』(2015年ドラマ放映、2011年文春文庫)のほか、『破門』(2014年 角川書店)が2015年にスカパーで実現されています。

出演は佐々木蔵之介、横山裕、北川景子、濵田崇裕、矢本悠馬、木下ほうか、中村ゆり、橋本マナミ、キムラ緑子、宇崎竜童、國村隼、橋爪功などです。脚本は大阪府出身の真辺克彦と福岡県出身の小嶋健作、主題歌は関ジャニ∞の『なぐりガキBeat』です。

主人公は、やくざの桑原保彦と口は達者ではあるが、貧乏な建築コンサルタントの二宮啓之です。二人は、橋爪功が演じる小清水隆夫と橋本マナミの演じる玲美に映画製作資金3000万円を持ち逃げされてしまいます。桑原保彦と二宮啓之は、トンズラしたお調子者映画プロデューサー小清水と玲美を追って、関西、マカオ、香港を奔走するハメになります。桑原保彦と二宮啓之は、小清水を捕まえては逃げられ、捕まえては逃げられというハチャメチャな追跡を繰り返しているうちに、大きなトラブルに巻き込まれることになります。それまでは追っていた者が、今度は何者かに追われるハメになり、さらには桑原保彦が絶縁されるか、破門されるかの瀬戸際に立たされることになります。絶縁されれば、ただで済まないらしく、殺されるか、埋められるからしいです。絶体絶命の状況に直面した桑原保彦と二宮啓之は、生き残りをかけて勝負することになります。

原作を踏まえて、感想がいくつかあります。
第一に、ギャンブルシーン。
黒川氏は大のギャンブル好きであるそうですが、マカオのカジノでルーレット、ブラックジャックなどをするシーンがあります。非常にリアリティがあり、勉強になります。何の勉強でしょうか?怖いです。ギャンブルは、危ないです。
第二に、血なまぐささを感じません。
第三に、会話のやり取りが、おもしろいですよ。

遠藤周作の『沈黙 -サイレンスー』実写映画化

今回は、2017年1月21日に公開される『沈黙 -サイレンスー』です。

この作品は、クリスチャン遠藤周作の『沈黙』(1966年)をマーティン・スコセッシ監督が映画化したものです。
アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーなどの出演陣に加え、浅野忠信、窪塚洋介などの俳優が起用されていることも話題となっています。併せて、マーティン・スコセッシ監督が初めて遠藤周作の『沈黙』を読んで、28年の歳月が流れたとのことです。なんという情熱と情念でしょうか。

物語の内容とその背景を見ていきましょう。
キリスト教禁教令は、三度の事件を契機として発せられることになります。
第一に、徳川家康が呼び寄せたフランシスコ会は、スペイン商船の関東入りの便宜を図れませんでした。
第二には、1610年に起こったデウス号事件です。
デウス号事件は、キリシタン大名、有馬晴信がマカオで家臣を殺された報復として、ポルトガル商船ノッサ・セニョーラ・デ・デウス号を沈没させた事件です。
第三には、1612年の岡本大八事件です。
岡本大八事件は、岡本大八、有馬晴信の間に所領を巡って贈収賄問題が生じたという事件です。岡本大八、有馬晴信、双方とも、キリシタンであったことが問題視されました。
また、同時に、この頃、徳川幕府の幕藩体制固めも大詰めを迎えていたといわれています。徳川家康は、キリシタン武士達に好意的な豊臣方と彼らが結びつくのを恐れていたとも、租税法を守るためともいわれています。禁教令は、さまざまな目的や体制の邪魔になったカトリックを排除するために好都合だったのです。
1614年には、金地院崇伝がキリスト教国は商船を寄こし、取引目的だけではなく、邪法を広め、日本国の国政を揺るがすものであるとする起草が出されました。
1616年に徳川家康が逝去すると、後を継いだ徳川秀忠はキリスト教禁制を強めました。

物語の主要な舞台は、江戸時代初期の日本。キリシタン弾圧に遭遇したポルトガル人教父フェレイラが過酷な拷問を受けて、棄教します。
1609年、物語の主人公ロドリゴの師匠、フェレイラは日本に到着し、1633年に囚われるまで宣教活動を行いました。フェレイラは天正遣欧使節であった中浦ジュリアンとともに、穴吊りの刑に処せられました。穴吊りという刑法は、穴の中に逆さづりにするというものでした。それでも、簡単には死ねないようにと工夫されたものでした。逆さづりにすると血が頭に集中します。こめかみに小さな穴をあけて、そこから血を出します。穴の中に汚物を入れ、地上では大音響の音を鳴らして精神的苦痛を与えるというものでした。5時間にも及ぶ穴吊りの刑で、フェレイラは転びます。皮肉にも、中浦ジュリアンは結局、穴吊りの刑でも棄教せず、殉教しました。
フェレイラの弟子、宣教師ロドリゴは、師匠が棄教したのかどうか真相を探ろうと、日本に向かいます。しかしキチジローの密告により、奉行所に囚われてしまいます。ロドリゴは師匠と再会しますが、ロドリゴ自身が棄教しない限り、拷問を受ける信者が赦されることはないのだと言われ、信じる道を進むのか、目の前にいる者を救うのか、葛藤し苦悩します。やがて、ロドリゴは、神はなぜ沈黙したままなのかと神を疑い始めます。

このようにこの作品は、西洋と日本、ふたつの体制、思想の違いに翻弄される人の悲しみと苦悩が如実に表現されたものです。

『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』主演・主題歌;高畑充希、共演:満島真之介、高橋英樹、江川洋介

今日は、2017年3月18日に公開される『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』です。
監督は、TVアニメシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(2002年)、『攻殻機動隊 S.A.G 2nd GIG』(2004年)、『精霊の守り人』(2007年)、『東のエデン』(2009年)、映画、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』(2006年)、『東のエデン総集編 Air Communication』(2009年)、『東のエデン劇場版Ⅰ The King of Eden』(2009年)、『東のエデン劇場版Ⅱ Paradise Lost』(2010年)、『009 RE:CYBORG』(2012年)を手掛けた神山健治です。

現在、神山祭開催中。神山健治監督作品がhulu、dアニメストア、バンダイチャンネル、auビデオパスで、本日から3月31日まで配信されます。ただし、auビデオパスにおいて配信される『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』、『東のエデン劇場版』は、2月1日からです。
ヒロイン、森川ココネの声を担当するのは、高畑充希。「岡山弁は関西弁のイントネーションと微妙に違いがあるため、難しかった。」とか。共演には『夏目漱石の妻』(2016年)の満島真之介、『ドクターX ~外科医・大門未知子』(2014年)、『逃げ恥』(2016年)の古田新太、前野朋哉に加え、高橋英樹、江口洋介という豪華キャストです。主題歌『ディ・ドリーム・ビリーバー』は森川ココネこと高畑充希が歌っています。

物語の主人公は、森川ココネ、女子高生。岡山県倉敷市で父親と二人で暮らす平凡な女子高生です。ココネの特技は寝ること、そう、「ひるね」でした。「夢まで見とんたっか、森川。」先生に出席簿で頭をこつんと叩かれる。「せんせえ~。」彼女は、最近、同じ夢を繰り返し見ることになります。ココネには考えるべきこと、進路のこと、家族のことなどいろいろあるはずなのにです。平凡な女子高生最後の夏、事件は突然、起きます。2020年、東京オリンピックの3日前、突然、ココネの父親が警察に逮捕され、東京に連行されます。「お父さん、何やったんじゃろか。」ココネは自分の見た夢が次々と現実化することに気づき、状況打開の手がかりがいつも見る夢に隠されていることを意識します。「今朝からこの夢、現実とつながっとる。」ココネは次々と現れる謎を解決するため、大学生で幼馴染のモリオ(声:満島真之介)と一緒に東京に向かいます。「ワタシ、ちょっと寝るわ。お尻触ったら、いけんよ。」「さ、触るかぁ~‼」すべてを知るために、彼女は眠ります。夢の先にあったのは、「知らないもう一人のワタシ」でした。ただひとつの手がかりは、「ひるね」で見る夢。ココネは、夢と現実を旅します。

昼寝が武器というのは、突飛で滅茶苦茶おもしろいですね。何だか、のほほんとした感じがします。夢と現実を行き来して、もう一人のワタシに出会うというのも、おもしろい発想だと思います。それに、方言が使われているせいか、親しみやすいですね。筆者にも広島県出身の友人がいますが、よく「〇〇したらいけんよ。」と言っています。広島と岡山、似たような方言なんですね。

サイコロジカル・ホラー『ネオン・デーモン』

今日は、2017年1月13日に公開される『ネオン・デーモン』の紹介です。
この作品は、究極の美を追求するファッション業界の裏に蠢く欲望を捉えたサイコロジカル・ホラーになっていますが、カンヌ映画祭でも喝采と非難に二分するほど話題になった作品です。
監督は『ドライヴ』(2011年)のニコラス・ウィンディング・レフンです。主演は、『スーパーエイト』(2011年)、『マレフィセレント』(2014年)のエル・ファニングです。『キング・オブ・エジプト』(2016年)において、アナト神役で出演したスーパーモデルで女優のアビー・カーショウも出演しています。また『マトリックス』シリーズ(1999年~)のトーマス・アンダーソン/ネオ役を演じたキアヌ・リーヴスは、モーテルでジェシーの口にナイフを突きつける役を演じています。その他に、カール・グルマン、ジェナ・マーロン、ベラ・ヒースコート、クリスティナ・ヘンドリックスなどが出演しています。

ヒロイン、ジェシーは、子供の頃、よく屋根に上って、将来の夢について考えていました。人より優れた才能もありません。ただ、誰もが目を奪われるほどの美しさに恵まれたジェシーは、純粋にトップモデルになる夢を抱いて、16歳で田舎町ジョージアからロサンゼルスへと移住してきます。「あなたには、何かある。必ず、売れるわ。」ジェシーは、一流デザイナーやカメラマンの心を捉え、すぐにトップモデルとしての道を歩むことになります。しかし、それが美に憑りつかれた悪夢の始まりだったのです。自分達の賞味期限切れを危険視し、彼女を妬むモデル達や友人は、さまざまな手段を使って、ジェシーを引きずり落そうとします。「お母さんは、私をこう呼んでいた。危ない子。」やがて、ジェシーの夢は野望へと変貌していきます。そして、ジェシーが野望を持ったとき、彼女の本性が現れてきます。

僕自身、ホラーは夜トイレに行けなくなるため、見ないことにしていますが、この映画は別物でしょう。